FrogのSenna氏に学ぶ、海外留学のすすめ

2015年7月1日

約19分

2008年よりカナダのバンクーバーに渡りWEB制作業を営んでいるFrog代表のSenna氏。日本で高校卒業後にWEB制作者として都内で制作会社勤務の後、カナダへワーキングホリデーで渡加後、就労、永住権獲得、フリーランス、その後起業。日本へも頻繁に帰国しています。

学校に行っただけでなんとかなるのであれば、
そんな簡単な話はない

リクエスト・ご感想

ポッドキャストへのリクエスト、質問、感想などはTwitterからハッシュタグ「#FrogSchoolポッドキャスト」をつけてお気軽にTweetしてください!

制作や英語、海外就職などに関するご質問は、番組内でお答えしちゃいます!

※すべてのリクエスト、質問にお答えできるとは限りません。

参照リンク

文字起こしテキスト

Ended soon

皆さんこんにちは!今回、私達Frogの新しい取り組みとして、海外に通用するクリエイターのための知識や語学を学んでいただく場として、Frog Schoolを開設する事になりました。お聞きいただいているPodcastは、Frog Schoolの新しいコンテンツとして、海外で活躍する方のインタビューや、海外経験のある人、いわゆるグローバル人材を必要とする企業の方のお話をお届けしていければと考えています。インタビュアーは、Frogの素敵な広報を担当をしており、Webクリエイターボックスというブログも運営しております、Manaがお届け致します。第一回となる今回は、弊社Frogの代表でもあり、バンクーバーのうぇぶ屋というブログでも知られているセナくんにお話を伺えればと思います。

セナくんこんにちは!

こんにちはー。よろしくお願いします!

よろしくお願いします!今回Frogについてですが、まだ多分知らないかたも多くいらっしゃると思いますので、簡単に説明をしていただければと思います。

Frogはもう1年半前くらい前ですか、一番最初、僕とマナさんで設立させていただいた、海外に対して興味もしくは希望だとか夢だとかを抱くクリエイターの方々を支援する団体として、僕もマナさんもそうですし、海外で今まで活動してきた経験などの情報提供をしていこうと始めたのがFrogという団体です。今1年半続けてきて、実際に海外で通用してきているクリエイターの方々がでてきた中で、次に生活の方も一緒にサポートしていければなということで、Frog houseという、クリエイターのためのシェアハウスを開始したり、海外でこれから働きたい人に向けてのキャリアアドバイスなどをさせていただいています。

なるほど。Frog Shoolですが、今回初めて運営することになったわけですけど、どういったことを中心にやっていこうかなと思ってらっしゃいますか?

日本の企業の方々から、僕らFrogに在籍されているクリエイターの方のような、海外でも経験がある方が日本企業も必要とするし、日本の技術力などが海外で通用しているという人たちも何人かいるということもあって、そういった人たちに少しでも近づいたり、もしくは海外経験というのを今後の武器にしていただくというのが一番大事な学習内容の中心にある部分かなと思うので、今回の8月に1ヶ月プランという形で公開させていただくことになったんですけど、そういった方々にはまずはやはり海外経験をしたことがないとか、海外に今まで出たことがないという人たちもそうですし、なおかつWeb制作というのがどこにいてもできる仕事だよねという風にみんなおっしゃるんですけども、最初の第一歩に何を勉強したらいいかわからないという方もすごく多い。なおかつ英語も、英会話スクールに日本で通ったりという方はいると思うのですが、実際にWeb制作を通した英語となると、また話は別ということもありますし。今回の初心者コースでは「海外経験」、「Web制作に関する基礎」、そして「英語の基礎」、この三点を持ち帰ってもらえるようなプランにしていければなと思います。

これがきっかけになって、そこからまた深く自分で学習していったりというものになっていければと思いますね。

そうですね。あとは日本の企業の方からもすごくお声をいただいているので、そういった方々が求めるものというのもふくめていきながら、今後のカリキュラムやプランを考えていければなと思います。

Frog Schoolで学んだことはその後どういった風につながっていくんでしょうか?

今回の1ヶ月コースでは、先ほどマナさんもおっしゃったように、きっかけづくりという部分が一番大きいかなと思うんですけど、その後、海外に対して必要とされるスキルを身につけていくための第一歩としていただければなと思いますし、海外に実際来てみて、この1ヶ月プランが終わった後でもいいですし、そこでインターンシップなどを目指して、「海外での経験が私はちゃんとあるんですよ」というスキルを持って、日本に帰っていただくということができれば一番いい学校なのかなと考えています。

今実際にバンクーバーでいくつか勉強会も行なっていますが、具体的にどういったことをやってきたのかをお伺いしたいです。

この一年半の部分、Frog Schoolが本格稼働する前までの話になるんですが、Frog Houseという形で、クリエイターのためのシェアハウスをバンクーバーでずっと運営をしてきまして、その中で弊社のティミーという人間がいるんですけど、彼がバンクーバーにあるWeb系の専門学校でカリキュラムアドバイザーをしていたという経緯があるので、そういう現地の学校や実際の企業の橋渡しや、カリキュラムなどを熟知している人間が教える、クリエイター向けの英会話もありますし、僕自身ずっとWebサービスの開発をやってきたということもありますので、僕が教えるRuby on Railsの簡単な講座だったり、企業から「こういう技術を持っている人が必要なんですよ」ということを吸い上げた上での授業を、毎週日曜日のFrog Houseのミートアップという形で公開をしてきました。

そうですね、私もつい昨日かな?HTML講座を初心者向けにやらせていただいて。

大好評で!

大好評で…大好評…でしたねw Webサイトをひとつ、簡単なWebページですけど、作ることができたので、こういった感じで小さいものから大きいものまでやっていこうかなと考えています。他にも現役クリエイターの講演会や、座談会というのもやってきましたよね。これからも増やしていく感じですか?

そうですね、海外、僕らでいうのであればカナダの実際の現地企業で働いているカナダ人はもちろんそうですし、アジア圏の方々もそうですし、もちろん日本人として、海外で通用してきた方々の声というのは僕ら同じ人種として、海外に挑戦するという立場からするのであれば、非常に勉強になることも多いかなと思うので、ぜひぜひ今後も開催続けていければと思っています。

今後Schoolはどうなっていくのか、目的やビジョンは具体的にどんな感じでしょうか?

一番はじめにも少しだけお話させてもらったかなと思うのですが、企業からの声というのがここ一年半で本当に集まってきているという現状があるので、ただ単に「一年間留学しました」というだけよりも、企業で実際にインターンシップを経験して、グローバルな環境で仕事をしたことがある、しかも僕らのようなクリエイティブな業界でというような方々を必要とする企業がすごく増えているので、ただ単に英語を勉強しているというだけではなく、企業に対して必要となる知識、スキル、それから経験をつんできた人が今後Frog Schoolに集まり、そこで新しい言語はもちろん、スキルなども身につけていただいて。それをもって日本の企業に対して「私はグローバルな人材ですよ」と戻っていただいてもいいと思いますし。その武器を持って次の挑戦として海外就職を目指すというのももちろんいいと思いますし。そのための第一ステップ、スタート、登竜門という立場にたてれば一番いいのかなと考えています。

Schoolは今後コースなども増やしていこうかなと思っていうのですが、このポッドキャストというのは、いろんな方の声を聞いて、今後の目標設定などに役立ってほしいなと、考えています。
いろんな人から留学の相談を受けてきたセナくんですけど、実際にどういった人から、どんな質問がきたりするんですか?

海外に留学をしたいという風におっしゃっている方というのは海外就労がしたいとか、実際に海外に行ってみて、インターンシップとかしてみて、「私まだスキルも英語もないんですけど」という方からの相談が圧倒的に多いかなと思います。

そうですね。で、インターンシップというのが、日本の考え方と海外の考え方が若干ズレがあるんですよね。

日本のインターンシップって、代表的な例だと新卒採用というのがあって、未経験で入って、実際に勉強しながら会社で適正をはかられるというんですかね。

社内教育のシステムが全然違って、海外は即戦力を求める傾向にあって、基本的に育てない、自分で学習してくれと。私も入社してその日のうちに業務が始まりましたし、そういった点は日本と考え方がすごく違うのかなというのがありますね。

なのでそこは企業側とのギャップが大きいところがあって、それは例えば海外経験というのを持って、日本で最終的に就職したいという方々ももちろんいるんですよね。海外経験のあるグローバルな人材が欲しいんだという企業の社長さんだとか、採用担当者さんも、海外にただ単に行って、語学学校に少し通って、楽しい生活を送りましたっていうだけだと、正直弱いかなというイメージを持たれているところは多いと。

何か持って帰るものが必要というのもすごく感じますね。

海外に出ただけという部分よりも、具体的なことを言うのであれば、「海外でインターンシップの経験があります」とか、「具体的にこういうスキルを身につけて帰ってきました」だとか、もちろん英語力もあるにこしたことはないと思いますが、やはりツールという立ち位置がすごく大きいのが言語だと思うので、それを使って結局何を生み出したかというのが、雇う側からしても、海外の企業側からしても非常に大事な部分なのかなと思います。

英語の考え方もそうなんですけど、英語っていうのはやっぱり「ツール」、コミュニケーションの手段のひとつなので、英語がしゃべれるからと言って、中身の無いようなことをしゃべったとしても通用しないので、スキルがあってこその語学力かなっていうのはすごく感じます。

自分の専門分野をちゃんと見据えた上での言語というイメージを持ってもいいし、そういう考え方を持つ文化が広がってもいいと思いますね。

そうですね。そういった感じで質問者の方には答えてらっしゃるわけですけど、質問を受けて、相談をしたうえで、バンクーバーに来ました、という方がたくさんいらっしゃると思いますが、海外でどういった学習をして、どういったことを具体的にしているんでしょうか?

人によって学び方や自分の強みの身につけ方というのはすごく違ってくるので、一概にこういう人しかいませんよ、という言い方はできないと思うんですけど、みなさん最初の壁として感じられるのは英語とおっしゃる方もすごく多いですね。英語に対してというよりは、英語を使って、職場でコミュニケーションを取るとか、TOEICの点数はすごく高い点数は持っているんだけど、職場でなじんだり、自分の意見を主張するとか、もっと言うのであれば自分の意見を押し通すという考え方ですよね、そういったところで壁を感じる。たぶん英語以外の部分の話、コミュニケーション能力の話かなと思うんですけど、そこがどうしてもみなさん最初になんとかしようとする部分のひとつですね。

スキルを持った上で来られる方もたくさんいるわけですけど、結局言語で、英語の面でつまづいてという方もたくさんいらっしゃるんですよね。

その上でスキルに関しても、Webデザイナーという職種自体、カナダ国内では非常に高いスキルの職業という風に認められているので、どうしても2、3ヶ月ちょっとWeb制作を勉強しましたというだけだと、ちょっとスキルがついてこない方も正直多いかなと。

そのWebデザイナーという定義も、日本とはまたちょっと変わってくるわけですよね。日本でいうと、例えばPhotoshopでページのデザインができる方もWebデザイナーと言われるんですけど、北米圏ではWebデザイナーといったらPhotoshopでデザインすることはもちろんですけど、HTML、CSSでコーディングするということもWebデザイナーの仕事のひとつとして大きな割合を持っているんですよね。そこの認識の違いはすごく感じます。

例えば作ることだけがWebデザイナーだと思ってらっしゃる方も多いかなと思うんですが、北米圏でのWebデザイナーというと問題解決能力が非常に見られると思うので、コミュニケーション能力も。海外のWebデザインの学校も、プレゼンテーションの授業が多いんですよね?

すごく多かったですね。毎回毎回、課題がある度にプレゼンがあって、「なんでこうしたのか」という説明をまず求められます。ひと通り説明をした後で、講師や同級生から鋭い質問や意見がきて、それをまた英語で答えてという、本当に修行ですよねw すごく大変でしたけど、今は本当に身についていて、いい経験だったなと感じています。

今マナさんがおっしゃったいい経験というところですよね。そこを自分にとっての経験ということで、ちゃんと身につけようと前向きな姿勢を取られる方は、留学という経験を通してキャリアアップをしようと頑張られていますね。

中でも「海外に行けばなにか変わるだろう」、「学校に行けばなんかスキルつくだろう」という考えの人は、やっぱり人だよりだとか、学校だよりになりがちなので、ちょっと伸びが違うのかなというのはひしひしと感じます。

難しいところかなと思うんですが、学校に関しては、エスカレーター式という進学やキャリアの積み方がほぼ存在しないと思うので、クリエイティブな部分に関しては結局何が作れて、何を作ってきて、今それが必要とされているのかというのが一番大事かなと思いますし。学校に行っただけでなんとかなるのであれば、そんな簡単な話はないと思います。

入社した時にすごくできたとしても、Webの技術は本当に毎日更新されていっているので、それについていけるかどうかというのもすごく重視されますよね。

たまにお話を伺うのが、Webデザイナーであれば海外の好きなところに行って好きな時に仕事ができてっていうイメージもあるし、正直間違ってはいないのかなという気もするんですけど、そういった人たちは彼らなりの情報収集の仕方や勉強方法、今ある技術について行くための方法があった上での話なので、どうしても、「ここまで勉強したらあとは楽」というイメージとはかけ離れているかもしれないですね。

私はオーストラリア、カナダ、イギリスで就労経験があるんですけど、面接の度によく聞かれる質問のうちのひとつに、「どうやってWebの勉強をしているか」とか、「どんなWeb系のブログを見ているかと」いうのをよく聞かれるんですよね。それって情報についていっているかを確かめる質問だと思うので、日本のブログだけではなく、海外のトレンドも追いかけていくのが理想ですよね。
今回はFrogの代表セナくんにお話を聞きました。これからもポッドキャストでは、海外就職や海外で働いている人の話を中心にインタビューしていこうと思っていますので、これから海外で働きたいなと考えていらっしゃる方はぜひ聞いてみてください。留学相談はいつでも受け付けていますので、お気軽にメールフォームからご相談ください。それではまたお聞きください。ありがとうございました。

インタビュアー

gotoworks510