ヌーラボのMasa氏に学ぶ、サービスの海外展開術

2015年7月16日

約24分

福岡に本社をおくヌーラボの創設者&CEOの橋本正徳(Masa)氏。2001年からJavaとPHP言語を主に使うプログラマとして活躍し、現在はCacooBacklogTypetalkといったコラボレーションツールの開発・運営を手がける。『星の王子さま』の筆者アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの「愛することはお互いに見つめあうことではなく同じ方向をめざすこと」という格言が好き。

英語を使って何をするかっていうのが一番の重要なポイント

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Ended soon

みなさんこんにちは、FrogのManaです。Frog Schoolのポッドキャスト第二弾ということで、今回はCacooBacklogTypetalkといったサービスを制作しているヌーラボの橋本正徳さん、Masaさんにお話を伺おうと思います。
Masaさんこんにちはー!

どうも、こんにちはー

こんにちは、今回はよろしくお願いします!

はい、よろしくお願いします。

では簡単に自己紹介をお願いしてもいいですか?

株式会社ヌーラボの橋本正徳といいます。海外の人からはMasaさんと呼ばれているので、今日は「Masaさん」で。

Masaさんで!Manaさん、Masaさんでw

Masa・Manaでw

Masa・Manaでいきましょうかw わかりましたw
ヌーラボではどんなことをされてらっしゃるんですか?

プロジェクト管理ツールのBacklogっていうサービスを主にやっているんですが、他にもブラウザー上で図が書けるCacoo、後ですね、インスタントメッセージみたいなチャットができる、Typetalkっていうツールを開発・運営しています。

私はよくCacooをワイヤーフレームを作る時に使わせていただいてまして、結構全般的に制作会社向けのものが多いんですかね。

そうですね、制作会社とか、Web、インターネットで働いているような人たち向けのものが多いです。

ビジネスや管理的なサービスが多いと思うんですけど、各サービスでちょっとおもしろいのが、他言語化ですとか、タイムゾーン設定なんていうのも積極的に付け加えていると思うんですよ。これって何か付け加えるにあたって理由があったりしますか?

海外の方のユーザーさんを獲得していきたいな、というところで、タイムゾーン設定や言語設定、あとは外貨…支払いですね。支払いの米ドルに対応したりしています。

実際に使っているユーザーというのは、日本と海外と、どちらが多いんですかね?

Cacooは海外の方が多いです。今170万ユーザーいるんですよ。そのうちの85%くらいが海外です。

そうなんですね!結構日本の方が多いのかと思ったんですけど、逆だったんですね!何か理由があるんですかね?

頑張ったからだと思いますw

頑張ったら85%の海外シェアがもらえますかね?w

そうですね、頑張ったらw

具体的に、海外向けのマーケティングを行っただとか、なにかありますか?

海外のブログで取り上げてもらったのが大きかったかなと思います。

やっぱり最初に多言語化していたというのが、海外で紹介してもらえたっていうのに繋がるわけですよね。Cacooは特にCacooUpっていう、ユーザーのミートアップもあるそうなんですけど、これは日本だけではないんですよね?

はい、日本だけじゃなくて、ロンドン、パリ、ベルリン…。

ヨーロッパが多いんですか?

アジアも台湾や韓国とか…。

もう世界中ですね。具体的にCacooUpではどんなことをされているんですか?

ユーザーさん同士の対話を作っていくということが主な目的なんですけども。その中でCacooをどのように使っているかとか、ヒヤリングできたり。

ユーザーさんに直にどういうふうに使っているか等を伺えるということは、サービスの向上に向けても繋がっていきますよね。東京を含め、全世界合計17都市で今まで行なってきたんですね。他にも海外のイベントというのはどんなものに参加されていますか?

僕が参加したのはですね、ロンドンのApps Worldっていう、いっぱいブースがあるようなイベント。

サービスを持ち寄ってといった感じですかね。初めてお会いしたのが確かロンドンの、あれは福岡のイベントだったのかな?スタートアップ関係のミートアップというか、イベントですよね。ご紹介いただいて。そういった海外のイベントにも積極的に参加しているヌーラボさんですけど、海外でのマーケティングに向けて、日本だけでなく、ニューヨークやシンガポールにも支社があるわけですよね。それはやっぱりマーケティングだとか、サービスを広めるためにっていうことですかね?

そうですね。もうすでに海外ユーザーがいる中で、使ってもらったりだとか、サポートの対応だったりとか。

そうですよね、サポートだったら特にタイムゾーンが違ったら結構たいへんですもんね。そうなったら現地の方を実際に採用してサポートしてもらった方が効率もいいでしょうしね。現地の方を採用も積極的に行っているということですかね?

はい、現地の採用も積極的にやってますね。

現地では日本人の方もいらっしゃるんですか?それとも現地の、例えばニューヨークだったらアメリカの方のみとか。

今支社があるのがニューヨークとシンガポール。あと、リモートで働いている人たちがいるのが、台湾、ベトナム、アリゾナなんです。そこで、日本人が一人だけ。ニューヨークに一人。

じゃあもう本当に現地の方のみで、サポートや開発、イベントの参加っているのは任せている感じですか。聞いた話によりますと、この間、4月かな?に行われたNY TechDayっていうのにも参加されたみたいで、そこでCacooのキャラクター、Cacoo Ninjaというのがいるようですよねw やっぱりそれは「Ninja」というのがアメリカ人にうけがいいというか、目に止まりやすいからなんですか?

Ninjaって結構アメリカ人とかにはうけがよくて、確かプログラムがすごいできる人を「Ninja」って呼ぶんですよ。ハッカーの上をいく人。

「JavaScript Ninja」とか聞いたことありますねw それにちなんでなんですかね!

そんな感じでしょうねw

グッズが、他にも、私がロンドンでイベントに参加した時も、Cacooのタオルを頂いたりとか、ステッカーを貰ったりとか、結構グッズが多いですよね?Tシャツもあったような。それもやっぱり、広めるために、イベントに参加するためにっていうことですよね?他にも、イベントとはちょっと違うかもしれないんですけど、「社員総会」というのが英語で行われるという風に聞いたんですけど、それは英語圏の方もいるからということですか?

そうですね、とにかく社内では日本語のわからない人がいれば英語を積極的に使ってコミュニケーションするし、対外的なアウトプットは極力英語でみたいな感じです。

今福岡本社にいらっしゃると思うんですけど、そちらにも日本語圏ではない方もいらっしゃるんですか?割合はどんな感じですか?

どれくらいだろう?15人ぐらいのうちの3人。

アジア圏の方が多いんですか?

そうですね、台湾とインドネシアと。

採用にいたった理由はありますか?「現地の方じゃないとだめだ」とか…。

そういうのはあんまりなかったんですけど、台湾から移住してきた人がおもしろくて。日本旅行の際に、うちの会社の住所をメモって来てて。うちの会社の周りをウロウロウロウロしてるところをうちの社員が見つけて。「何してんの?」って聞いたら「ここに行きたいんだ」って言ってその紙を出して。「それうちの会社だよ!」って言ってw で、その後社員になりたいっていう話で。

なんのアポもなく、住所だけを持っていらっしゃったとことですかw すごいですねw そのバイタリティはなかなか日本人にはない感じかなと思うんですけどw

それだけで惚れ込んでw

そうですよねw もちろんスキルとかいうのもあると思うんですけど。じゃあスキルがあれば言語っていうのは二の次になるんですか?ある程度のコミュニケーションができれば。

そうですね。特にプログラマーであればプログラム言語は全世界共通なんで。特に問題無いと思っているところはありますね。

そういったプログラマーの方のスキルを見るのって、実際GitHubとかを見るっていうことですか?

そうですね、GitHubだったりだとか、公開されてない方ももちろんいるんで、仕事外で作ったようなプログラムコードを見させてもらって判断します。

そういった国内外問わず、いろんな方と触れ合う機会が多いと思うんですけど、イベントに参加する中で、英語でプレゼンする機会が本当に多いと思うんですね。ロンドンのイベントに呼んでいただいた時も英語でプレゼンしていたと思うんですけど、何か英語でプレゼンするコツというのがありますが?

頑張ること…。

基本は頑張るw 根性論ですかw

英語だからって大変だと思わないことかな。

「伝える」ということをメインに置いて、言語はあとからという感じですかね。私が専門学校にいる時に、英語でプレゼンする機会がすごく多かったんですね。その頃英語ってすごく苦手で、丸暗記してプレゼンをしていたんですけど、Masaさんはどうですか?丸暗記するタイプですか?それともその場で考えて言っちゃうタイプですか?

その場で考えるタイプですね。あんまりよくないと思うんですけど。

つまづいたりしませんか?私その場で話しちゃうのがちょっと怖くて。

なるほど。僕の場合は知ってるボキャブラリーで精一杯の説明をさせてもらうんで、詰まることはないんですけど、逆に丸暗記というのが苦手で。覚えたものを思い出すために詰まるっていうことは多いので。なので極力暗記しない形で。

簡単にメモ程度ですかね?言うことだけメモをしてっていう。

そうですね、簡単なメモを書いておいて。それだけは絶対に言うようにして。

言うものリストと言わなくてもいいかなリストで分けている感じですかね。

そんな感じですね。

初めて英語でプレゼンした時と今とでは違いますか?

違いますね。

どう違いますか?どう変わりましたか?

初めてやったのはシリコンバレーで5分間ピッチをやったんですよ。その時は丸暗記のスタイルでやったんですけど、なんていうんですかね、背伸びしちゃって。自分の知らないボキャブラリーだとかを使ったり。あと日本人特有かもしれないですけど、ちょっと周りくどい説明をしちゃう傾向があって、あまり上手にはできなかったんですね。今は上手かって言ったら上手ではないとは思うんですけど、でも極力自分の知ってるボキャブラリーで、背伸びせず、自分の言葉で話すことはできているので。

ロンドンの時でも、会場を巻き込んでいた感じがあって。結構会場にいる皆さんに話しかけるというか、一人ひとりにちょっと聞いてみたりとか、質問してみたりっていうスタイルをよくとられているのかなって思うんですけど、初めてそれを取り入れた時って緊張しましたか?

緊張しましたね。

ノリが悪かったらどうしようとか、そういう感じですか?

はい。

でも結果うまくいってますよね。

はい、プレゼンテーションはライブ感ってすごく重要じゃないですか。なので極力棒読みになるようなことは避けて、さらにお客さんいじりというか。

そうですよね、いじってますよね。今も?

はい、今も必ず面白いポイントっていうのは作って。

単調にならないように工夫をされていると。

悪い癖なんですけど、笑いを取ろう取ろうとしてしまうところがあってですね。

悪い癖なんですかね?楽しいプレゼンじゃないですかw

お客さんが笑ってくれた時に、「ちゃんと伝わってるんだ」っていうのが分かるじゃないですか?

そうですね。逆に滑ったりしたことはないんですか?

滑ったのは、最初のプレゼンテーションで、すごく滑りました。

覚えてますか、やっぱりw

すごく覚えてます。

それ何が原因だったんですかね?

僕の英語力だと思うんですけど、話した内容が、僕一番最初のスピーカーだったんですね。で、「I am the first speaker.」って言って、で、その後に「But, I can not speak fast.」って言ったんですよ。

「早くしゃべれないよ」と。

で、first と fast でダジャレをやってみたんですけど、お客さん達は「ふーん、そうか」っていう顔でw

ぽかーんでしたかw でもそういうのが今は教訓になってるんですかね。
そういった英語のプレゼンをしてきたわけですけど、英語のプレゼンをするにはやっぱり英語の勉強っていうのも大事だと思うんですね。今も続けてらっしゃいますか?

そうですね。今も絶えずにやってるというか。なんて言うんですかね、勉強ってなっちゃうと続ける気が起きないんで、生活習慣を変える感じ。

具体的にはどういったことをされてます?

具体的には、例えばニュース記事とかっていうのは、英語のリソースしか読まないとか。一時そうやってたら日本の話題が全然わかんなくなったんで今は両方共読みますけどw

それありますw 私もロンドンにいる頃にBBCばかり見てて、日本で起こったニュースとか全然ついていけなくなったんで、ちょっとYahooも見ようかなとw

ですよねw あとはソーシャルネットワークに関しては英語を使うようにして。

英語と日本語アカウント、両方やってるんですけど、日本語用のTwitterアカウントはある種国内向けのマーケティング的な要素もあるんで。

じゃあ個人的なことは英語でっていう感じですか?

そうですね、個人的なことは英語でやってますし、一番英語を使っているのはFacebookですね。

わんちゃんの写真とか結構アップされてますよねw 私すごく好きで見てるんですけど。そういったのもちゃんと英語で解説というか、簡単な一言があったりして、すごくわかりやすく読ませていただいてます。そういった感じで生活に取り入れて勉強しているんですね。先生とかは特にいないんですか?

先生は今、週に一回英語のレッスンを一時間だけやっていて。

やっぱり自分だけではできない学習方法とかありますもんね。

そうですね。基本的に英語で友達と話しても、間違ってても相手が空気読んだりしてくれて、あんまり訂正してくれないじゃないですか。

確かに、先回りして言いたいことを汲み取ってくれる感じはありますよね。

はい。なのでちゃんと注意してくれる先生っていうのが欲しくて。

ヌーラボでは「英語学習補助金制度」というのがあるとお伺いしたのですが、これはどういった制度なんですか?

英語学習したい人は会社から一部補助金を出すという制度です。

じゃあ英会話スクールなんかに行ったら、一部補助金を、という。

僕もそれ使って先生にお願いしてます。

そういった制度を導入しようとした理由は何かありますか?

とにかくユーザーも英語の人が多いですし、社内も日本語のわからない社員も増えてきてるので、英語を共通言語にしようとして、じゃあ英語勉強する時には補助金出すよっていう感じで。

今入社されている方も、英語がしゃべれるとか、英語を積極的に勉強しようという方が集まっているんですか?

はい、うまくしゃべれるかどうかはわからないですけど、英語に対して「嫌だ」って思ってる人はいないです。

みんな同じような気持ちで学習や仕事に取り組んでるっていうのはすごく大事なことだと思います。

ありがとうございます。

海外で就労したことがあるという日本の方ですとか、もちろん海外の方もそうなんですけど、海外経験というのが有利になるんですかね?

有利になるとは言え、英語をしゃべれることは確かに有利なんですけど、英語を使って何をするかっていうのが一番の重要なポイントなので。結構今うちのサイトに問い合わせで、入社希望者がきて、英語はできるって言って来られるんですけど、英語ができた上で何ができるかっていうところがポイントなので。

両方あわせてみる…どちらかというとスキル面を重視するんですか?

そうですね。英語は結構、僕もすごく苦手だったんですけど、まぁ頑張ればっていうか。後天的にいつでも習得できる部分があると思うんで。

生涯学習といったらアレですけど、ずっと勉強し続ければいつかは、という感じはありますもんね。
今ちょっと話しにもあったんですけど、今人材募集中ですか?

募集中ですよ。

どういった方を募集していますか?

サポート関係ですかね?

そうですね。ヌーラボのツールを使ってくれているユーザーに対する啓蒙活動だったり、イベント運営、ソーシャルネットワーク運営とか。

マーケティングの要素も?

そうですね。はい。

じゃあもし今聞いてくださってる方の中で、ご興味のある方がいらっしゃれば、Webサイトから応募できるので、お気軽にお問い合わせしてみてください。

よろしくお願いします!

今回はヌーラボの橋本正徳さん、Masaさんにお話をお伺いしました。他にもMasaさんに聞いてみたいことなどありましたら、WebサイトやTwitterなどから質問してみてください。Masaさん、本当にありがとうございました。また機会がありましたらお話をお聞かせください。

どうも、ありがとうございました。

インタビュアー

gotoworks510